久しぶりに機材レビューではなく、音に対してのテクニック的なことを少し書いてみようと思います。最近聞こえてくる声として、
「古屋さんに影響されて、〇〇を買いました。」
或いは
「あの作品のあの音に憧れて、〇〇を買いました。」
というお言葉を頂きます。自分としては世界一の機材だと思っているからSPLを使っていますし、会社で代理店のライセンスも持っています。なので、皆様からのお声は心から喜ばしいことですし、全責任を持って間違いのない世界一の機材を購入して頂いていると思っています。これは自分の日々発言していることと行っていること、望んでいることとその結果によって良い影響を多方に渡って与えられていることは、全ての要素が一つの方向を向いて整合性が取れていると感じられ、大変喜ばしいことです。
では、SPLの何が世界一と言えるのか?或いは全く方向性は異なりますが、IGS Audioも一体何がそこまで魅力で、僕の会社で扱おうと思ったのか?色々と要素はありますが、端的に言えばそれは双方に非常に効きが強烈で、楽音を一発で別物に変化させてしまうパワーを持っている激しい変化率です。世界の激しい潮流で戦う僕としては、この強烈な狂気とも呼べるような音の変化が無ければ戦いようがありません。ちょこちょこっと、すこーしだけの変化で変わったのかなぁ・・・・みたいな楽音構成で勝負していては、絶対に世界で選ばれることはありません。これは断言できます。マスタリングであれば、特に劇的な変化をほぼ100%求められます。なので、どう扱ったら良いのかわからないくらいの激しい変化を持つ機材を手なずけ、自分の想像している楽音を遥かに超えるような機材に触れないと、激しい結果をもたらすことのできる自らの創造力がそもそも育ちません。可能性があれば何処までも追求したくなるのが人間で、やれるだけやり、行き付けるところの限界まで追い込んで、追い込み、更に追い込んで・・・・とやると失敗することも多々あります(笑)。
ただ、この徹底して追い込むというものが極限の極限まで行くと、そこから幾分か差し引くことも上手くなるようになります。いわゆるそれを調整と呼ぶのでしょうが、その調整できるところまでは、とにかく極限の追い込みこそが上達します。追い込みすぎてその国でスーパースターと呼ばれるアーティストにクビになったことも多々ありましたが、それでも追い込み続けることこそが可能性だと信じて追い込み続けました(笑)。結果的にそれが国際エンドーサーという形になりましたし、海外の国家プロジェクトにも僕を参加させるところまで行きつかせました。
この追い込みは、強烈な機器を手なずけてこそ身に付くスキルであることは僕が断言します。これが出来なければ可能性は小さいままですし、強烈すぎて手なずけられないのであれば、
「なぜ世界でスーパーメジャーとして扱われる機材なのか?」
を考えてみましょう。機材は間違っていないんです。間違っているのは自分の感性とスキル。だって、あのスーパースターたちの楽曲はSPLで作られているわけですから、自分の持ち合わせている世界観がスーパーメジャーと嚙み合っていないだけなんです。もっと第三者的に物事を見てみましょう。或いは俯瞰しましょう。何がどういう構造によって自らの何かしらがスーパーメジャーと異なるのか?
そんな自問自答は僕自身も嫌というほどしましたし、クビになって悔しくて眠れない夜を何度も過ごしました。ただこうした情熱やど根性を身につけさせてくれるのも、先ほどの追い込みですし、その追い込みを支えたのは強烈な機材たちでした。
僕は自分が心酔できる機材しか扱いません。世界一は僕にとって最も重要な指標ですし、同じくグローバルスタンダードも僕自身が最も大切にしている俯瞰的な視野です。その二つの要素を組みわせて、双方ともに持ち合わせている機材と思えるのが、会社で取り扱っている機材たちです。是非こういう世界観に触れて頂きたいと切に願っています。
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