この動画では、SPLを中心としたマスタリング機材と機材構成、そしてチェインの考え方というものをお伝えしています。この考え方という概念自体が、ユーザー間や市場において余りハッキリしていないのではないかと思うのですが、『こういう機材があるから、こう使ってみよう』という以上に、まず自分がどういう音が欲しく、音として/作品としての最終完成図を描くことが最も重要かと思います。この根底にある考え方があってこそ、その先にある途中経過であるプロセスを議論することになるのですが、そもそものスタートラインである根底の考えがしっかりしていないと何時まで経っても準備段階で困惑することになります。
要は機材選びやその使い方というのはあくまでプロセスであり、根底にある自らの理想に近づけていく作業でしかないわけです。その作業・プロセスにいくらフォーカスしても、それ自体に哲学や思想があるわけではないので、答えが一向に近づけないということになります。『こうするんだ。こういうものを作りたい』という青写真が明確化された考えがあってこそのプロセスですので、この辺りの考え方というものが最も重要であることをまず念頭に置いて頂ければと思います。この考え方は何事においても共通する概念かと思いますが、日本国内にスタジオ機材のメジャーメーカーがない以上、その根底にある考え方というものの発生源が存在しないのかと思います。僕の国際エンドーサーという立ち位置も、こうした国内と世界との歪を少しでもなくすという意味合いもあると思っております。
僕の場合は、国際エンドーサーになることは自分の音楽活動において最も重要視していました。それ故に、『世界最先端のHi-Fiサウンドが自分は欲しい。それで世界と勝負するんだ』という明確なビジョンを当初より持っていました。それが昨今における活動につながっていくわけで、この考え方は未だに何も変わっていません。
是非皆様もプロセスや作業内容ではなく、自分の奥底に持ち合わせる音の理想と行きつく先をまず掲げて頂ければと思います。
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