僕の特技の中の一つに、機材デモというものがあります。この動画のコメントでも多数書いて頂いていますが、世界中から『このデモ動画が良かった』というお声を頂戴でき、結局IGS Audioの本国サイトに採用になったという曰つきの動画です。
国際公式エンドーサーを名乗る以上、この辺りは本国との関係性を皆様に明確に示さないといけないと思っていますし、日本人がこうした形で世界に出て行く姿というものを皆様に知って頂きたいところです。決して手も足も出ない世界ではなく、柔軟な精神と視線、それに明確な目標があれば必ず手が届くことを知って頂きたいと思います。
さて、IGS Audio 576ですが、改めて4年前に撮影したこの動画に触れてみたというのは、サポートへこの動画と同じ音が出ないといったお問い合わせや、実際の使用感についてのご不明点などが複数寄せられていましたので、多少のレクチャーや考え方も含めて文面に起こしてみました。
576 Blue Stripeは、とにかく効きが非常に強い機材でして、どうせ実機を買うならばこれくらいの個性を持っていてい欲しいと個人的に思っています。1176よりも1176らしいというか、本来1176が持ち合わせていた個性に対して、更に理解を深めて効きを強くして、IGS Auidoらしいリッチテイストを加えたといった感じかと思います。一方効きが強すぎると思ったら、Releaseを強めれば一気にトーンダウンするようなハッキリとした機材としての態度も僕は好感を持っています。
先に触れたIGS Auidoの代名詞とも言える『リッチテイスト』とは、所謂濃厚濃密なブランデーのようなサウンドを連想させるところがあり、この味わいというものについては、今流通しているメジャーメーカーではIGS Audioからのみ感じられたものでもあります。リッチテイストはIGS Audioについてはほぼ全ての機材から感じ取ることができ、オールドファッションの外観にはある意味似つかわない、何とも色気のあるサウンドを作り込んできています。そのリッチテイストとかなり激しい1176のアルゴリズムを進化させた576 Blue Stripeは、その独特な魅力をユーザーに強くアプローチしてくる機材とも言えます。
そして何と言っても、扱いきれないくらいの『じゃじゃ馬』テイストを演出しようと思うと、簡単にそのサウンドというものを発揮してくれます。コツとしては、先ずReleaseを弱めることと、Attackを強めに押し出すこと、そして他の機能も強め強めで設定して行くと、この機材の良さというものを全面的に押し出せるかと思います。何を最も重要視するか?ということになると、恐らくは先ほども触れたReleaseを如何に上手に演出するかで、Release次第でそれまでじゃじゃ馬だったサウンドも一気に大人しくもなれば、いまいちパンチにかけたサウンドも、Releaseが上手く設定できれば一気に華々しいくも、下品なほどの派手さを出すこともできます。
要は何が言いたいかというと、使い手によってどうにでも変化してしまうコンプレッサーであり、無難にそれなりにまとめるというよりは、はっきりとした方向性をサウンドに求める折には最高のリソースだと思います。それだけ器が大きいということでして、その器を如何に乗りこなすのか、ご自身のキャパシティとテイストで一度挑戦されてみてください。きっと今までには見えなかった景色が見えてくるはずです。
コメント
コメントを投稿