Phonitor xとPhonitor xeの違いというと、外部出力が有るか無いかの違いくらいにも思えるのですが、実際にはそのサウンドの違いというものが最たる違いと言えるかと思います。機能や数値的な違いというもの以上に、その音色を実際に感じ取るということは最も重要で、欧米メーカーの人間たちも数値的な話というものは余り表向き説明されることはなく、もっと対極を成す音色としての在り方というものが話題の中心になることが大半です。この観点から、似たような2機種と思われがちな各機材たちを、具体的に音色の面から説明しなぜ自分にとってはPhonitor xであったのかを明らかにしていきたいと思います。
先の投稿で書きました通り、Phonitor3はリニアとリアルを融合したモデルで、Phonitor xはリニアとリアルは一部残しつつも、より広大なステレオイメージでサウンドを作ってきています。しかしその広大なステレオイメージというもの自体に強調しすぎるような味付けはなく、サウンド内の凸凹もほぼそのまま拾っているイメージです。対してPhonitor xeは、その凸凹を少しフラットにし、美しさの追及へと方向性を走らせている感があり、この箇所が僕にとってはリニアとリアルさがもう一つ欲しいと思えたところでした。
そういう意味で言うと、機能面・サウンド面双方に最もバランスよく思えたのがPhonitor xで、Kii Audioのような究極的なスピーカーと並べてマスタリングを行う際にも、Phonitor xは自身の存在感を抜群に示してくるところがありました。何が抜群かと言うと、何と言っても表現のバランス感覚が最強と思えます。特に何かを強調しているわけではないのに、アタック音や弦が擦れる音、ある種の雑音とも捉えられるボーカルの歯擦音までを、見事なまでに良い意味でも悪い意味でもそのままに映し出してきます。ただPhonitor3と違うのは、リニアとリアルの表現の違いで、ここに美しさが入るということです。Phonitor3は前面にリアルさを強調してきますが、リアルに美しき表現を追加してくるのがPhonitor xです。そして良い意味でも悪い意味でも、Phonitor xのリアルと美の融合故に示されていた美しきリアルを、更につるつるに磨いて美の徹底追及を行ったのがPhonitor xeといった感じでしょうか。
こうした音のフィーリングというものを言語化すると、中々難しいものですが、僕なりの表現で書いてみました。
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