今回は、昨今のレコーディング・マスタリングで欠くことのできない、AD/DAコンバーターについてです。コンシューマ向けの製品としては、USB経由でオーディオインターフェイスと呼ばれる機種がありますが、業務用では PCIeカードで直接マザーボードにデジタル信号を出し入れしますし、アナログ⇒デジタル、デジタル⇒アナログのプロセッシングはまた別の機材を用意します。PCIeカードとAD/DAコンバーターのやり取りは、今のところMADIが最も進んでいる手法になるかと思います。
サウンドディスカッション #23
http://sound-monogatari.mookmookradio.com/podcast/23/
今回僕が選んだAD/DAコンバーターは、SPL社のMadisonと呼ばれる機材です。日本での導入は余り聞いたことがありませんが、内部電圧を36vまで引き上げることでダイナミックレンジと静粛性を確保しています。これはSPLが得意としている120vに追随する新しいフィロソフィー感じること出来る機材ですが、それをデジタルプロセッサーに導入したことが革新的ではないかと思います。
そして、PCIeカードとして導入したMarian Audio Seraph M2。なんとこのカード、384kHzでREC出来る上、カード自体が32Bit Flotに対応しているという、地味ですがとんでもない機能を持っています。ちなみにMarianも、日本では殆ど知られていない無名状態ですが、ヨーロッパのマスタリングスタジオではよく見かけることが有ります。MarianにどんなAD/DAコンバーターを使うのかで、方向性がガラリと変化します。後ほど扱いますが、要はこうしたデジタルプロセッサーは、音色作りをこの段階では行わず、動作の安定性のみに注力していると言っても良いかもしれません。故にこの一連のシグナルチェインで驚いたのは、何と言っても動作の安定性です。というか、安定にも程があると言いたいほどで、SEQUOIA14を用いて10トラック以上有るオーバーダビングを192kHzで、演奏には全く問題がない程度のレーテンシーで乗り切ってしまいました。その上、PCのダウンは一回も起きずに、これがProTools Nativeだったら殆ど不可能なレコーディング環境です。恐るべき、Made in Germany。。。。
そして最もお話をしたいのが音ですね。ラジオでもお話しましたが、その恐るべきパワーを発揮した一連のサウンドは「恐ろしくフラット」です。最初は「ナニコレ・・・」というくらいにぶっきらぼうに感じだったのですが、それまで使用してきたRMEが相当にハイブーストの音を作っていたがゆえに、様々なハードギアを用いると妙にシンバル系が強調されすぎたり、ストリングスの高音がキツかったりという現象が起きていました。これは現在のAD/DAコンバーター全体に言えることなのかもしれませんが、ハイレゾの影響で妙に高い周波数帯を意識した音作りが横行しているように思えます。しかし、確かに200kHz前後をピークとするDSD5.6MHzであれ、384kHzのPCM音源であれ、楽曲の音質のピークがそこにあれど、あえて機材側で高音部を強調する必要はないと思うんですよね。音作りはこちらでコントロールするので、コンバーターそのものが音色を作ってしまうなどということは辞めて欲しいと思うところです。というか今回の機材のセットアップを通して、ハイレゾにおける音質はどうあるべきか、ハードギアとデジタルプロセッサーの住み分けをどうするのか?などが一定の水準で見えてきたような気がします。MADIにはまだ空きがありますから、この次はDAD AX32の導入を考えています。
Hiro's Mixing & Mastering / http://www.hirotoshi-furuya.com/shop
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今回僕が選んだAD/DAコンバーターは、SPL社のMadisonと呼ばれる機材です。日本での導入は余り聞いたことがありませんが、内部電圧を36vまで引き上げることでダイナミックレンジと静粛性を確保しています。これはSPLが得意としている120vに追随する新しいフィロソフィー感じること出来る機材ですが、それをデジタルプロセッサーに導入したことが革新的ではないかと思います。
そして、PCIeカードとして導入したMarian Audio Seraph M2。なんとこのカード、384kHzでREC出来る上、カード自体が32Bit Flotに対応しているという、地味ですがとんでもない機能を持っています。ちなみにMarianも、日本では殆ど知られていない無名状態ですが、ヨーロッパのマスタリングスタジオではよく見かけることが有ります。MarianにどんなAD/DAコンバーターを使うのかで、方向性がガラリと変化します。後ほど扱いますが、要はこうしたデジタルプロセッサーは、音色作りをこの段階では行わず、動作の安定性のみに注力していると言っても良いかもしれません。故にこの一連のシグナルチェインで驚いたのは、何と言っても動作の安定性です。というか、安定にも程があると言いたいほどで、SEQUOIA14を用いて10トラック以上有るオーバーダビングを192kHzで、演奏には全く問題がない程度のレーテンシーで乗り切ってしまいました。その上、PCのダウンは一回も起きずに、これがProTools Nativeだったら殆ど不可能なレコーディング環境です。恐るべき、Made in Germany。。。。
そして最もお話をしたいのが音ですね。ラジオでもお話しましたが、その恐るべきパワーを発揮した一連のサウンドは「恐ろしくフラット」です。最初は「ナニコレ・・・」というくらいにぶっきらぼうに感じだったのですが、それまで使用してきたRMEが相当にハイブーストの音を作っていたがゆえに、様々なハードギアを用いると妙にシンバル系が強調されすぎたり、ストリングスの高音がキツかったりという現象が起きていました。これは現在のAD/DAコンバーター全体に言えることなのかもしれませんが、ハイレゾの影響で妙に高い周波数帯を意識した音作りが横行しているように思えます。しかし、確かに200kHz前後をピークとするDSD5.6MHzであれ、384kHzのPCM音源であれ、楽曲の音質のピークがそこにあれど、あえて機材側で高音部を強調する必要はないと思うんですよね。音作りはこちらでコントロールするので、コンバーターそのものが音色を作ってしまうなどということは辞めて欲しいと思うところです。というか今回の機材のセットアップを通して、ハイレゾにおける音質はどうあるべきか、ハードギアとデジタルプロセッサーの住み分けをどうするのか?などが一定の水準で見えてきたような気がします。MADIにはまだ空きがありますから、この次はDAD AX32の導入を考えています。
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Radio Personality『マエストロ古屋博敏のサウンド物語』/ http://mookmookradio.com/a0004/
(ご質問、ご相談などコメントから投稿下さい。番組内でお答えします。)
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