皆様こんにちは。
今日は King of Compressor 、elysiaのalpha compressorを扱います。遂に到着したこの機材ですが、やはりelysiaの本社で1時間ほど触ったくらいではその良さは分かっていませんでした。加えて自らのスタジオですと、様々な機材と比較もしやすいため、何故 alpha compressor なのか?という部分についても、研究が進められるので非常に有用です。
さて、そのalpha compressorの素晴らしさは、 未来感覚溢れる外観からも感じ取ることが出来ますが、何と言ってもその音でしょう。コンプレッサーとしては非常に設定機能数が多いので、最初elysiaの本社で見たときには正直うろたえました(笑)。
想像してみてください。elysiaの本社で、CEOのRubenとDominikが見守る中、たった数分でこの機材を理解し、使いこなし、そしてエンドーサーになれるか否かをジャッジメントをされるという状況は、相当に厳しいものがありました。結果として、elysiaとの関係を深めることができたのですが、良い機材であることは認識できましたが、無我夢中過ぎてその時のことはよく覚えていないというのが本音です。
そして、1年が過ぎて今に至るわけですが、ゆっくりと機材の流れを理解すると、その素晴らしい哲学に触れることができ心躍ります。
先ず機材について、色々なインプレッションというものがありますが、出音が良いとか、前に出てくるとか、機材を通すだけで音が変わるとか・・・そういう類のものではなくて、もっと芸術的に表現できる要素がこの機材には随所に見られます。
先ず何と言っても音色です。非常に美しい音色を持ち合わせており、この機材を通してcompressを掛けていった時に、音を潰しているというのではなく、alpha compressorが持ち合わせている哲学を通して、音色が形成されていくという表現のほうが正しいかと思います。特にM/Sモードでは、空間美を非常に優雅に表現し、豊かなステレオイメージを作り上げると共に、ミッドのサウンドにおいても決して色合いが薄くなってしまったり、変に誇張しすぎた原色系に近い音になることもありません。これは正にラージフォーマットでしか可能になりえないサウンド・メイクであり、音楽史において3大Bを生み出した国ならではの、音楽性が生み出す機材と言えるでしょう。
少し試してみたのが、API500シリーズの機材をいくつか用いて、同じような音を再現しようとしましたが、この広がりと纏まった感があり、尚且非常に豊かでHi-Fiな音色を作り出すことはできませんでした。
更にはEQやハイパスフィルター、ローパスフィルターも機能として盛り込まれており、このコンプレッサーで、EQセクションに持ち込む前に、味付けも可能ということで、その可能性を感じさせてくれます。
このEQセクションの考え方というのは、1Bandのみ付帯していることから多少不思議にも思いますが、一つのプロセッサーの中でEQも含め一定の音を作るという行為により、纏まり感のようなものを得ることが出来るのは確かです。次のEQに音を渡す前に、今自らで任されているプロセスを内部で創り上げ、得たい音をある程度形にできていれば、alpha compressorという一つの個性の中で一定の成果を得ることが出来ます。 言葉にすると難しいのですが、一度触ってみればすぐに直感できるはずです。
この芸術性あふれる機材を触ることが出来るのは、何とも喜びに満ちたひとときです。
Hiro's Mixing & Mastering / http://www.hirotoshi-furuya.com/shop
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