
最も愛してやまないメーカー、elysiaの本社にてルーベンCEOと。
久々の投稿となります。
こちらのブログをきっかけに、今年も本当にたくさんの皆さんからアクセスを頂きました。セミナーで講師を務めると、このブログがきっかけで僕を知ってくださったという方が多く、本当にうれしく思っています。多忙ゆえに少し時間が経過してしまうのは何卒ご了承いただければと存じます。
最近はFacebookのほうが日々更新しておりまして、そちらの方はエンドーサー契約を持っている多くのメーカーの関係者や、世界中のクライアント、エンジニアたちとのつながりがありますので、比重がどうしても重くなってしまいます。更なる日々の活動にご興味がおありのようでしたら、メッセージを付けてご一報いただければ幸いです。
さて、今日のお話は一昨日帰ってきたヨーロッパでの出来事について投稿してみたいと思います。
現在日本にスタジオがありますが、オンラインでつながれたこの狭い世界は、リアルタイムであらゆる地域とつながっています。そんなグローバルになった世界で、音楽制作は本当に自由の身となったと言えるでしょう。メーカーのエンドーサー契約だって、その殆どが実績を持ち始めた後はオンラインでやり取りがされる時代です。
そんな中、デュッセルドルフのelysia社と温めてきた、SSL-XL DESKをMpressorで纏めようという企画がついに実現しました。

エンドーサーとしてお互いに折り合えるところを探し、遂にここまでの形になりました。しかし問題が一点。。。作りが重厚なドイツ製は、ちょっときゃしゃなイメージを持つ英語圏の機材とは違い、結局このMpressor500がSSLに入りきらないという事態が起こりました。このやり取りは出国直前で行われたので、そもそも訪問することになっていたelysiaでパーツの加工をしてもらうことに。
CEOのルーベン自らが加工してくれ、尚且つNvelpeのプレートのカラーも極々少しだけ違うとのことで、メーカー在庫の中から色合わせをして手渡してくれました。何というか・・・今のところelysiaのエンドーサーは、TOTOのドラマーで著名なサイモン・フィリップスと僕だけなので、こうしてスペシャルパーツを現地で製造してもらい受け取る事ができたのは、その一員としての立場がハッキリしたようで非常にうれしいひと時でした。

ルーベンCEOに、最近の仕事を報告しているところ。スロバキアのマスタリグは非常に褒めてもらえました。

その後はSPLのサーシャと。SPLから直ぐのお気に入りの池にて。ここのステーキが本当においしいんです。彼とは何時もこの辺りでの食事がお約束で、リリースされた物凄いマイクプリアンプ、Crescendoは1年半前に来た時提案した企画でした。

そうそう、Brauner MicrophoneのCEOダークともお会い頂きました。アーティスト・リレーションの契約ができました。SPLとelysiaが車で30分くらいで、ブラウナーさんは更に1時間くらいのところに会社があります。
『アーティスト・リレーションの関係にあるピーター・ガブリエルが、16本のマイクをこうやって使っているよ』
などなど、素晴らしい情報をがんがん得られるのも、こうした場ならではです。

SPLのエンドーサーとして同僚のベルギーのDanのスタジオで。車移動で向かいましたが、途中オランダやベルギー、ドイツが入れ替わる国境付近は本当にきれいでした。最近スタジオ自体の成長を目指しているので、マスタリング機材の導入が少し遅れ気味でしたが、SPLの製品がほぼ全てインストールされている彼のスタジオで、その威力を垣間見ることができました。
早くスタジオにFull SPLを入れたいです。ちなみに、Danのスタジオのamphionは良かったですね。日本で聴いた時と偉く印象が異なりました。なぜ日本に来るとダメになっちゃう機材たち・・・不思議。

アムステルダム(オランダ)にも行きました。後ろ姿ですが、アビーロードスタジオ in アムステルダムのCEOバリーが、彼のお手製のコンプレッサーを聴かせてくれているワンショットです。

メルセデスでの移動でしたが、最高速は230kmくらいでした。中央ヨーロッパを走行した距離は、1週間でなんと2000km。。。平均速度が日本の倍以上だからできた技でした。
ヨーロッパで非常に著名なIgl(イーグル)と。まさにImpressiveという言葉にふさわしいサウンドを、彼のスタジオで聴かせてくれました。ホームスタジオはニュルンベルグ。
イーグルの様々な機材。最も彼が話してくれたのは、AD/DAコンバーターでした。エンドーサーの話ももらいましたが、如何にせよ高額です(笑)。もう少し待ってもらって、入れようと思います。
こういう音を知らないと、何時まで経ってもゴールが見えない・・・そう思わせてくれるスタジオワークでした。丸一日時間を取ってくれ、かなりのことを話してくれました。正直もうヘトヘトでしたが、それでもレクチャーが続きました(笑)。こういうところは、バークリーでもハーバードでも経験した欧米式ですね。物事に対する濃さが違います。

そしてウィーンでミラクルが。
写真のハロルドは、ウィーン国立音楽大学を出て、ウィーン国立歌劇場、ウィーン学友協会の伴奏ピアニストをしたのちに、今はマスタリングエンジニアであり、STEINWAY in Austriaでも働いています。その彼から、
『Hiroのところで働きたい』
との申し出が。ちょうど忙しかったし、クラシック音楽のマスタリングが得意なスタッフが欲しかったので二つ返事でOKをしました。

今回のヨーロッパで使用したメルセデスベンツ。この走行性能は、ドイツメーカーならではでしょうね。200kmオーバーで走り続ける頑強さと乗り心地は格別でした。

そしてウィーンフィルのレコーディングに参加。メインエンジニアでサウンドプロデューサーのゲオルグと。この時は、オペラ歌手カーフマンとの作品となりました。

機材などは意外とシンプルで、ある意味僕が持ち合わせているもののほうが上であることも多いように思えました。

ざーっと並べてみましたが、本当に抜粋という感じです。
いつも僕が言ってきていることですが、今回改めて思ったのは、日本のサウンドはグローバルスタンダードには全く追い付いていません。英語でImpressive soundingという言葉を用いて、『いい音だ』という言い方をしますが、最も近い日本語の直訳は『鮮烈な音だ』になります。鮮烈、ダイナミック、強烈、斬新、どれもこれもが今の日本には足りていません。独特に育った文化かもしれませんが、既にグローバル化の波は押し寄せていますし、セミナーで扱わせて頂くお話も常に、
『海外での活動ではこういう方向性で仕事をしている』
という内容が大半です。それほどに国内でも需要圧力は強いですし、率直なところとしては、『どうしていいのかわからない』という見解をお持ちの方が多い気がします。方向感がなければ必ず行き詰りますし、そろそろ本格的に国内もグローバル化していいころかと思います。
僕がこれまで得てきたノウハウや得た人脈などは、何も隠すつもりもありませんので気軽にアクセスしてください。
簡単に言えば、教えてすぐに真似ができるようなものはノウハウでも何でもないですし、隠し事なども殆どありません。やっていること自体は、単なる直球勝負です。
どうも本物を見ようとせずに、脇見ばかりの情報が横行するエンジニアリングの世界ですが、impressive soundingだって特段変わったことは何もしていません。音を扱う人間の感性と才能、ただそれだけというのが実態です。
『電圧が高いから良い音が出るとか、ケーブルがこういうのだから良い音がするとか、誰誰がこういうのを使っているからダイナミックレンジがすごいとか・・・』
まあ、そういうのもいいですが、根本的な自らの感性はどれ程出来上がったものなのかを見直す方が先ですね。それぞれに違いは出るかもしれませんが、下地である感性が出来てもいないのに、表面的なもので変えようとしてもそれは直ぐに実力という過酷な現実にぶつかります。
僕が見てきた世界というのはそういうものでしたし、これ以上ない世界のトップたちは思いの他通常の機材を上手に使って、自分のアイディアと経験で最高にクールなimpressive soundingを作り上げてきます。
レコーディング・ミキシング・マスタリング、更には海外レコーディングのコーディネート、海外作曲家を用いてのプロジェクトの立案、スタジオコンサルティング、機材コンサルティング、なんでもご相談ください。
ご連絡はFacebookから。
https://www.facebook.com/hiros.mixing.and.mastering/?ref=settings
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