スキップしてメイン コンテンツに移動

Bettermaker Mastering EQ

このブログは、一体どなたにご覧頂くのだろうか・・・と考えておりましたが、以外にこちらからお問い合わせなどを頂くようになり、僕の文面でも喜んで頂けるならばと再度思いを新たにしました。
さて、今回はエンドース元であるポーランドのBettermaker Mastering EQを扱ってみたいと思います。まだ届いていないので、希望的観測も含めながらのレビューとなります。
既にエンドースメント契約も8社に上り、日々新しい情報やアップデートに目を白黒させています。日本で想像されている以上に、世界の進歩というものは物凄いスピードで動いています。日本は大凡僕の感覚からすると3世代以上出遅れていて、機材の真新しさという以上に、音に対しての考え方そのものがついていけてないように思えます。そしてその最先端と定義できるであろうBettermakerの存在は、僕にとっても非常に大きな意味を持ち合わせています。


上の映像はCEOのMarekがニューリリースのMastering EQについて、説明を行っている映像ですが、この機材、最新鋭らしく美味しいところを全部持ち合わせているようなEQです。Pultec EQ と4バンドのパラメトリックが同居していることもそうですが、その上M/Sモードも持ち合わせており、いわばてんこ盛りの機能を持ち合わせています。その上、M/Sモードの切替があること自体珍しいのに、映像から見受けられる内容として、バンドや機能ごとにM/Sを切り替えられるとのことで、これは願ってもない機能でした。
こうした発想が物凄く、その上磨き抜かれたHi-Fiサウンドですから、最新の音を扱う機会が多いのであれば、その魅力というものを存分に感じ取れるはずです。
それでは最新の音とはどういうものなのか?その定義とは?という問いが聴こえてきそうです。僕の場合は、レコーディングはクラシックが主流で、時々ジャズも担当する言わばアコースティック楽器を得意としています。しかし、ミキシング&マスタリングになると、世界各国からの受注ということになるので、クラシックからハードロックまでジャンルを問わず担当します。その中で今年は嬉しいことに、ドイツのラップ・ヒップホップグループを担当し、ヨーロッパチャート7位、アワードにもノミネートにもされています。
そんな環境の中で最先端を最も早く感じ取るのは、クラシックの世界です。特にドイツとロシアの着眼点は素晴らしく、近年エリック・クラプトンやTOTOなどの英語圏におけるエンターテイメント界で主流とされるリアルな音作りは、10年も前にドイツやロシアで作り上げられていました。結局の所、源流としてはヨーロッパ中心にクラシック音楽が新時代を作り上げ、その音を聴いた英語圏のエンターテイメント界が追随するという構図が見て取れます。
この流れの中に、現在のエンターテイメントにおける中心的役割を果たしているアメリカは話題に出ていませんが、僕が今の所経験するアメリカの音作りというものは、ヨーロッパよりは遥かに遅れています。やはり開発自体はヨーロッパ(ドイツ・ロシア中心で)、それを良いと感じたアメリカが採用することで、世界一の消費国が用いるそのパワーを持ってして、新時代が築かれるということでしょう。
僕はアメリカで学んだし、ビジネスの関係性も非常に強くあります。しかし、こと開発ということに関しては、アメリカの弱さというものを顕著に感じるケースが多々あります。つまりは世界のディストリビューターというイメージ以上でも以下でもないと感じることが多く、スタジオなども自らの哲学を強烈に表に出してくるというよりは、ビルボードで如何に受ける音楽を作るのか?というところへ注力しているように思えます。ヨーロッパは芸術を生み出し、その芸術の一部をアメリカが採用してエンターテイメントへと発展させる・・・これにより、世界のヒット作品が生み出されるのではないかと思います。
なので、僕の場合は源流であるヨーロッパとの関係性を強めました。長い歴史に裏付けられるその哲学は素晴らしく、尚且最新のものを次から次へと生み出す力にも満ちています。これはどの地域も真似することができません。ビジネスの根幹である、開発力という偉大な力は、明らかにヨーロッパを優位な立ち位置へと導いているはずです。もっとも一時期TELEFUNKEN(現在はアメリカ資本)と急接近して、エンドースの話し合いもなされましたが、どうしても反りが合わなく今のところは距離をおいています。
以上のような流れから、最先端と位置づけられる音や楽曲を扱う機会に恵まれていますが、そのサウンドを扱えば扱うほど、昔リリースされた機材とは反りが合わない事を実感します。そして哲学が共鳴するメーカーと共に意思疎通を図り、共に世界の最先端を目指す視線へと昇華したとき、エンドースメントの契約へと話が進みます。
Bettermakerとの契約は、これまでLimiterやV502コンプレッサーであったので、EQは初めて手にすることになります。彼らの明確な哲学を感じ取り、世界のニーズ、またトレンドを新たに構築していけるのであれば、これ以上嬉しいことはありません。
また機材が到着しましたら、レビューを書いてみたいと思います。とにかく今は楽しみで仕方ありません。


Hiro's Mixing & Mastering / http://www.hirotoshi-furuya.com/shop
(ミキシング・マスタリング、こちらからご依頼ください。)
Official Website / http://www.hirotoshi-furuya.com
(お仕事のご依頼や、機材のお問い合わせは、オフィシャルサイトよりお願いします。)
Official Facebook Page / https://www.facebook.com/hiros.mixing.and.mastering/

コメント

このブログの人気の投稿

日本で230vの運用について

電源において200vは簡単に引くことのできる国内ですが、ヨーロッパ製が大多数を占めるスタジオ機材においては230vがメインのため、電圧が足りない状況に陥ります。故に200vを減圧して115vで使用するケースが殆どと言え、この200vをなんとかして230vで運用してみたいと思った方は多いはずです。 もっとも僕もその一人で、アメリカで聴くサウンドとヨーロッパで聴くサウンドの違いというものは、双方の国に行くたびに感じていたことでした。勿論考え方が根本的に異なる両者ですので、違いが出て当然なのですが、機材の違いでもなく録られる音質の違いでもなく、何か本当に根っこの部分でヨーロッパとアメリカの違いというものを感じていました。僕も手っ取り早いので、115vは直ぐ様導入して100vとは異なる音質を手に入れることはできていました。 ここで電源やケーブル、タップ類の話になる前提として、絶対的に根本的な考え方が根底で出来ていること、そして自らの耳を常に疑われる、非常にレベルの高いクライアントたちから、ガンガンにクレームを言われながら鍛え上げられている柔軟な感性を持ち合わせていること、そして世界中の新曲に触れる機会に恵まれていることが絶対条件になります。自で 『 自分の作る音ならば間違いない、俺の価値観は絶対だ』 と思ったり考えているのであれば、その人は決して上に突き抜けることはありません。その考え方で、どうにかなってしまうクライアントしか仕事を受けられないからです。最高レベルに行き着くこともなく、成長はそこで止まります。適正な報酬、最高レベルでの感性と技術を売り込めば、それなりに自らの感性にも技術にも自信のあるクライアントからオファーを貰うことになります。そしてガチンコで意見を出し合いながら音を構築していくわけで、その場では必ず意見の衝突が起きます。その衝突を糧としながら、自らの感性や視野を育てていくことになり、そうしたクライアントと年に10人も出逢えばかなり揉まれます。自らの価値観など無に等しいくらいに否定され、揉みに揉まれて最後に残った価値観こそが自らのものとして最終的に残ることになるでしょう。また痛いのは、海外からのオーダーで、言語が全くわからない曲があったりします。例えばドイツ語やイタリア語、スロバキア語やウルド語(インド・パキスタン周辺の公用語・・・なのかな)が用いら...

ミックス・マスタリングが上手くなりたければ、効きが強烈な機材を使え

  久しぶりに機材レビューではなく、音に対してのテクニック的なことを少し書いてみようと思います。最近聞こえてくる声として、 「古屋さんに影響されて、〇〇を買いました。」 或いは 「あの作品のあの音に憧れて、〇〇を買いました。」 というお言葉を頂きます。自分としては世界一の機材だと思っているからSPLを使っていますし、会社で代理店のライセンスも持っています。なので、皆様からのお声は心から喜ばしいことですし、全責任を持って間違いのない世界一の機材を購入して頂いていると思っています。これは自分の日々発言していることと行っていること、望んでいることとその結果によって良い影響を多方に渡って与えられていることは、全ての要素が一つの方向を向いて整合性が取れていると感じられ、大変喜ばしいことです。 では、SPLの何が世界一と言えるのか?或いは全く方向性は異なりますが、IGS Audioも一体何がそこまで魅力で、僕の会社で扱おうと思ったのか?色々と要素はありますが、端的に言えばそれは双方に非常に効きが強烈で、楽音を一発で別物に変化させてしまうパワーを持っている激しい変化率です。世界の激しい潮流で戦う僕としては、この強烈な狂気とも呼べるような音の変化が無ければ戦いようがありません。ちょこちょこっと、すこーしだけの変化で変わったのかなぁ・・・・みたいな楽音構成で勝負していては、絶対に世界で選ばれることはありません。これは断言できます。マスタリングであれば、特に劇的な変化をほぼ100%求められます。なので、どう扱ったら良いのかわからないくらいの激しい変化を持つ機材を手なずけ、自分の想像している楽音を遥かに超えるような機材に触れないと、激しい結果をもたらすことのできる自らの創造力がそもそも育ちません。可能性があれば何処までも追求したくなるのが人間で、やれるだけやり、行き付けるところの限界まで追い込んで、追い込み、更に追い込んで・・・・とやると失敗することも多々あります(笑)。 ただ、この徹底して追い込むというものが極限の極限まで行くと、そこから幾分か差し引くことも上手くなるようになります。いわゆるそれを調整と呼ぶのでしょうが、その調整できるところまでは、とにかく極限の追い込みこそが上達します。追い込みすぎてその国でスーパースターと呼ばれるアーティストにクビになったことも多々ありました...

Phonitor x レビュー

僕の中でBest of Headphone Ampと言えば、間違いなくPhonitor xを選びます。最も純度が高く、味付けを排するだけ排したHi-Fiサウンドで、良くぞここまで表現したという機材です。前回の投稿では、Phonitor3からの買い替えということでPhonitor xを選んだわけですが、今回はここにPhonitor xeも含めて話を展開してみたいと思います。 Phonitor xとPhonitor xeの違いというと、外部出力が有るか無いかの違いくらいにも思えるのですが、実際にはそのサウンドの違いというものが最たる違いと言えるかと思います。機能や数値的な違いというもの以上に、その音色を実際に感じ取るということは最も重要で、欧米メーカーの人間たちも数値的な話というものは余り表向き説明されることはなく、もっと対極を成す音色としての在り方というものが話題の中心になることが大半です。この観点から、似たような2機種と思われがちな各機材たちを、具体的に音色の面から説明しなぜ自分にとってはPhonitor xであったのかを明らかにしていきたいと思います。 先の投稿で書きました通り、Phonitor3はリニアとリアルを融合したモデルで、Phonitor xはリニアとリアルは一部残しつつも、より広大なステレオイメージでサウンドを作ってきています。しかしその広大なステレオイメージというもの自体に強調しすぎるような味付けはなく、サウンド内の凸凹もほぼそのまま拾っているイメージです。対してPhonitor xeは、その凸凹を少しフラットにし、美しさの追及へと方向性を走らせている感があり、この箇所が僕にとってはリニアとリアルさがもう一つ欲しいと思えたところでした。 そういう意味で言うと、機能面・サウンド面双方に最もバランスよく思えたのがPhonitor xで、Kii Audioのような究極的なスピーカーと並べてマスタリングを行う際にも、Phonitor xは自身の存在感を抜群に示してくるところがありました。何が抜群かと言うと、何と言っても表現のバランス感覚が最強と思えます。特に何かを強調しているわけではないのに、アタック音や弦が擦れる音、ある種の雑音とも捉えられるボーカルの歯擦音までを、見事なまでに良い意味でも悪い意味でもそのままに映し出してきます。ただPhonitor3と違う...