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8月, 2017の投稿を表示しています

マスタリングイコライザー SPL PQ mookmook radio #24

今年の夏は気持ちの上下が激しい、思い出深い暑い夏となりました。バークリーを修了して卒業証書を受け取ったあたりから、SoundBetterへの登録、プレミアム・プロバイダーとしての審査、ハーバード大学を以前受験して合格していた内容がそのまま有効かどうかの確認(結果そのまま受講できることが判明)、そしてドイツの老舗オーディオメーカーSPLからのエンドースの決定と、これが1ヶ月のうちに全てやってきたので、精神的にはかなりこたえました(笑)。アメリカ・ドイツと毎日やり取りをして、また審査に次ぐ審査で疲れ切ってしまいましたが、全ての案件を粘り腰で通過することが出来ました(笑)。日本と違うのは、この粘り腰を受け入れてくれるところですね。。。国内で粘ってしまうと嫌われるのですが、欧米だと競争が激しいせいか、担当者がそのまま交渉に応じてくれることが殆どです。しかも、結構親身になってくれて、色々な提案もしてくれる上に説明も丁寧。。。世界から取り残されないように、日本も表向きの物腰の柔らかさではなく、真に親切なサービスを展開できれば良いと思うのですが。。。 さて、文化の差異については相性もあると思うので人それぞれですが、本題の機材についてです。SPL-PQ、今最も世界で先進性が強く、ホットな機材ではないでしょうか? サウンドディスカッション #24: http://sound-monogatari.mookmookradio.com/podcast/24/ 今やMaselecではなく、ManleyでもなくSontecでもない、SPL PQが King of Equalizer と欧米では大合唱の状態です。先進性を求めるマスタリングスタジオは、フリーのエンジニアも含めこのEQが導入されていることをステータスとしています。凡そ機材の構成を見れば、お互いどれ位のレベルに居るプロデューサー・エンジニアなのかは分かるので、仲間も凡そ同じくらいのレベルの人達で集まり合う傾向にあります。PQクラスのEQを持っている人になると、何もかもがハイクォリティという傾向があります。というのは、マスタリングをヨーロッパ人と会話する折には、必ず真っ先に「どのEQ使っている」という会話から始まります。コンプレッサーではなく、AD/DAコンバーターでもないんですね、EQで音作りを進めていく考え方

ミキシング・マスタリング AD/DA コンバーターについて mookmook radio #23

今回は、昨今のレコーディング・マスタリングで欠くことのできない、AD/DAコンバーターについてです。コンシューマ向けの製品としては、USB経由でオーディオインターフェイスと呼ばれる機種がありますが、業務用では PCIeカードで直接マザーボードにデジタル信号を出し入れしますし、アナログ⇒デジタル、デジタル⇒アナログのプロセッシングはまた別の機材を用意します。PCIeカードとAD/DAコンバーターのやり取りは、今のところMADIが最も進んでいる手法になるかと思います。 サウンドディスカッション #23 http://sound-monogatari.mookmookradio.com/podcast/23/ 今回僕が選んだAD/DAコンバーターは、SPL社のMadisonと呼ばれる機材です。日本での導入は余り聞いたことがありませんが、内部電圧を36vまで引き上げることでダイナミックレンジと静粛性を確保しています。これはSPLが得意としている120vに追随する新しいフィロソフィー感じること出来る機材ですが、それをデジタルプロセッサーに導入したことが革新的ではないかと思います。 そして、PCIeカードとして導入したMarian Audio Seraph M2。なんとこのカード、384kHzでREC出来る上、カード自体が32Bit Flotに対応しているという、地味ですがとんでもない機能を持っています。ちなみにMarianも、日本では殆ど知られていない無名状態ですが、ヨーロッパのマスタリングスタジオではよく見かけることが有ります。MarianにどんなAD/DAコンバーターを使うのかで、方向性がガラリと変化します。後ほど扱いますが、要はこうしたデジタルプロセッサーは、音色作りをこの段階では行わず、動作の安定性のみに注力していると言っても良いかもしれません。故にこの一連のシグナルチェインで驚いたのは、何と言っても動作の安定性です。というか、安定にも程があると言いたいほどで、SEQUOIA14を用いて10トラック以上有るオーバーダビングを192kHzで、演奏には全く問題がない程度のレーテンシーで乗り切ってしまいました。その上、PCのダウンは一回も起きずに、これがProTools Nativeだったら殆ど不可能なレコーディング環境です。恐るべき、Made

マスタリングコンプレッサー IGS Audio TUBECORE mookmook radio#22

更新が遅れてしまいましたが、mookmook radio #22 IGS Audio TUBECORE に言及してみたいと思います。番組内でもお話させて頂きましたが、IGS Auidoは僕が惚れ込んで日本総代理店を願い出た、ポーランドの新進気鋭メーカーです。世界中で発表される機材をウォッチしている身としては、「IGSは音色作りの上手さ」という面で強い魅力を感じたメーカーです。SSL NEVEなどの老舗は別として、新しく出てくるメーカーには強烈な思想が有るのですが、その中でIGSはショパンを生み出したポーランドらしく、レトロな見た目以上に、Hi-Fiになりすぎてしまう昨今のスタジオワークでの音色を、上手く真空管を用いてアナログサウンドならではの立体的な楽曲へ仕上げてくれます。 サウンドディスカッション http://sound-monogatari.mookmookradio.com/podcast/22/ 機材の外見は以上のような感じで、非常にミリタリー感溢れるような様相を呈しています。今月、来月あたりにマスタリングバージョンであるこの機材を発注予定ですが、ミキシングで用いる500シリーズは既に手元にある状況です。 500スロットに導入されている、一番左側のブラックの機材がTubecore500、その右側に One LA500をインストールしてあり、双方に真空管コンプレッサーです。ボーカルやギター、ベース、スネアなどに使用するとワームであったり立体的であったり、設定によって様々な表情を覗かせてくれます。 番組は、CEOである Igor が行っているデモンストレーションを元にして進行したのですが、見た目以上に意外なほど進んだ考え方を持ち併せています。現在のところ、500シリーズのみが手元にある状況なので、マスタリングバージョンは想像の範囲になってしまうのですが、まずM/Sモードが装備されています。現在のマスタリングでは必須の機能ですが、真空管コンプレッサーでは、M/Sモードを備えているものは余り見ることはありません。また、説明書によれば、指定の真空管を入れ替えることにより、コンプレッサーの掛かり具合と音色に変化を与えられるとのことで、こちらも含めて何とも魅力的な機材です。ゲルマニュームや真空管など、通す回路の素材を選べ