スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

10月, 2017の投稿を表示しています

マスタリング・パッシブEQ SPL-Passeq について mookmook radio#28

ここ最近の仕事は、海外とアグレッシブにやり取りが出来、非常に充実しています。先週ハリウッドに納品した音源は、マーティン・メレニーという、ポール・マッカートニーのウィングスを手掛けるミキシングエンジニアと共作できました。彼がミキシング・僕がマスタリングという具合ですが、実は当初クライアントとは、僕がミキシング・マスタリング双方を行う話し合いになっていたのですが、僕が提出した参考音源がクライアントの感性と異なったようで、ミキシングはクビになりマスタリングのみという依頼になった経緯があります。まあそこは世界のハリウッド、少しでもスキががあれば幾らでもいる世界中の優秀なプロデューサーやエンジニアに取って代わられます。悔しくて2日間眠れませんでしたが、これも経験ということで、悔しさをバネに善しと捉えようと、今は気持ちを切り替えています。ちなみに、そんな悔しい思いをしてはいますが、マーティンとはすっかり仲良し。今回実力では押し負けてしまいましたが、プライベートでは言いっ子なし、力が物を言うので、これが欧米流という感じです。 「次のコンペでは、マーティンに絶対に負けないぞ」と、心を新たにしています。 (マーティンのミキシングは、流石に上手でしたが(笑)) さて、今回はマスタリングギアの中でも、かなりコアなパッシブEQについてお話してみました。僕が今現在使用しているパッシブEQは、SPL Passeq と IGS Rubber band ですが、双方ともに非常に主張の強い機材です。その中でも今回は、SPL Passeqにスポットを当てています。それでは、早速探って行きましょう。 サウンドディスカッション #28 http://sound-monogatari.mookmookradio.com/podcast/28/ ラジオだけでは伝わらない機材の外観です。導入事例は日本では殆ど聞いたことがありませんし、ヨーロッパでもそこまで積極的に導入という雰囲気はありません。しかし、使ってみた者だけが分かる、この素晴らしい質感。。。番組内でも述べたのですが、一度この機材をデモしたことがあるのですが、正直なところその機能というか全般的な思想を理解できていなく、敢え無く撃沈した記憶があります(笑)。分かっていないって怖いです・・・ここまで素晴らしい機材を、当時はスルーして

欧米の音と、機材選びについて mookmook radio#27

ここ最近、何処へ行っても『欧米の音は、どうやって作られるのか?どういう手法なのか?』というご質問を頂くので、今回はラジオで扱ってみました。 mookmook radio #27 http://sound-monogatari.mookmookradio.com/podcast/27/ 僕が受注させて頂いている、アメリカやヨーロッパから送られてくる音源は、何か特殊なことがされているかと聞かれれば、そうではないと思っています。極自然に収録されていて、それをどう光り輝かせるか?というのが僕に任せられている仕事だと思っているのですが、自分のイメージからすると、ワイド感と上から下までのレンジを広く採るということが必須となっている印象を受けます。そして、一つ一つの楽器が詳細に見えるように作り上げる・・・ただこれだけのことをしているように思えるのですが、それがどうも国内で作られている音とは異なるということで、やはり話に挙がるのだと思います。確かにワイドにサウンドを作ることも、上から下までのレンジを確保することも、捉え方によってはかなりチャレンジングな内容かもしれません。音楽の根底となる力はよく見えますし、こちら側の腕も試されるのは確実です。低音を出せば良いのではなく、緻密に計算されたBoost と Cut を使い分ける必要性があります。ただ強調しただけではダブついた低音になってしまい、纏まりがなく、印象としては音楽が前へ進まなくなるイメージを持ちます。中音も高音も同じで、ただPassive EQで持ち上げた音は今ひとつですし、Parametric EQにしてもM/Sも含めBoost とCutを上手く用いるべきです。 少し前後するのですが、そもそも欧米から受注する音に対しては、かなり強烈にEQを掛けます。かなり思い切った思想と独創性でチャレンジしないと、まずOKが出ません。「君に頼んだのは、スペシャルな音にして欲しかったからだ」というメールの文面が目に浮かびます(笑)。これは大学でも経験したのですが、自分の意見や独創性のないものに対しては、クラスも先生も非常に厳しい態度を取ります。無難ではダメで、必ず”その人に頼んだ意味”を求められます。この辺りの根底からして、多少なりとも違うのかな・・・と感じています。僕の場合は、クライアントの要望にもよりますが、クラシックでもかな